メキシコ湾原油流出が冗談抜きでヤバイ件というブログ記事がありました。
クリントン元大統領、油井爆破の可能性に言及 米原油流出
* 2010年06月29日 16:00 発信地:ワシントンD.C./米国
【6月29日 AFP】ビル・クリントン(Bill Clinton)元米大統領は28日、出演した米テレビ局CNNの番組で、メキシコ湾(Gulf of Mexico)での英エネルギー大手BP施設の原油流出事故について、リリーフウェルによる流出阻止が失敗した場合は、海軍が出動して油井を爆破しなければならないかもしれないと語った。
メキシコ湾(Gulf of Mexico)で行われている、原油の拡散を防ぐため、監視下で原油を炎上させるオペレーション(2010年5月7日撮影)。(c)AFP/US NAVY/Mass Communication Specialist 2nd Class Justin Stumberg
クリントン氏は、「これは地質学におけるモンスターだ」「とんでもない油井だ。あの地下には大量の原油が眠っているんだと思う」と語った。
クリントン氏は、最も重要なのは流出を止めることで、その後で原油が沿岸に流れ着くことを防ぎ、被害を最小限にとどめることだと語り、さらに「何が原因だったのか、ブリティッシュ・ペトロリアム(British Petroleum)や米政府の誰に責任があるのかを突き止めなければならない」と、BPの旧社名を使って語った。
現在掘削が進んでいる2本のリリーフウェルの効果について懸念があるかとの質問に対し、クリントン氏は「ある」と明言し、油井の爆破も「必要になってくるかもしれない」と語った。
「恐らく海軍なら流出を止めることは可能だろうが、あらゆる結果が考えられる。流出を止めることができても、メキシコ湾の生態系を壊すことになってしまうんではないか」
クリントン氏は、海軍は核兵器を使う必要はなく、単に「油井を爆破して、がれきや岩などで流出部分をふさいでしまうだけでいい」と述べた。
クリントン氏は、BPの専門家が失敗した場合、米政府ができることはほとんどないと懸念を示し、BPは「やるべきことをやる」ように努めなければいけないとする一方で、作業には時間的余裕も与えられるべきだと強調した。
流出を永続的に食い止めるリリーフウェルの設置は、早くても8月中旬以降だと見られている。(c)AFP
―クリントン元大統領、油井爆破の可能性に言及 米原油流出 国際ニュース : AFPBB News
メキシコ湾原油流出、事故史上最悪の流出量に
* 2010年07月03日 17:21 発信地:ニューオーリンズ/米国
【7月3日 AFP】メキシコ湾(Gulf of Mexico)の原油流出事故で現在までに流出した原油量は計190万~360万バレルに上り、ついに同種の事故で史上最悪となった。メキシコ湾では3日、台湾企業の巨大タンカーを使って原油をすくい取る作業が始まった。
米ルイジアナ(Louisiana)州から50キロの沖合で英エネルギー大手BPが操業していた石油掘削施設「ディープウォーター・ホライゾン(Deepwater Horizon)」が4月22日 に爆発・水没事故を起こして以来、メキシコ湾には日量3万5000~6万バレルの原油が流出し続けている。
原油流出防止システムによりこれまでに約55万7000バレルの原油が回収された。3隻目の回収作業船を投入することで回収量を日量2万5000バレル から5万3000バレルに引き上げようとしているが、メキシコ湾の悪天候により配備が遅れている。泥やセメント注入で原油流出を完全に食い止めるのは、早くても8月中旬と見込まれている。
■過去最悪の事故に
1979年に同じくメキシコ湾で発生したIxtoc油田の原油流出事故は食い止めるまでに9か月かかり、原油約330万バレルが流出した。しかし、今回の流出事故は最悪の計算だとすでにその量も超えたことになる。
今回の事故を超える量の流出は、1991年の湾岸戦争(Gulf War)でイラク軍がクウェートの油田を破壊して放火し、故意に流出させた600万~800万バレルの流出のみとなっている。(c)AFP/Allen Johnson
1石油バレル = 158.987295 リットル ということなので、
メキシコ湾には毎日550万~950万リットルの原油が流出し続けていることになります。
これは、ちょっと、人類史上始まって以来の超大規模な環境破壊です。
超深度の石油掘削施設と大量破壊兵器の保有の違いが分からなくなってきました。
このタイミングで言ってしまいますが、買い物行って、レジで「レジ袋要りません」って言ってる人、レジ袋は使って始めて環境破壊されてるわけではないんです。あなたがビニール袋を使おうと使うまいと、物事は何一つとして変化しないんです。
作ろうと、原材料を採取している時点で環境破壊なんです。 よろしくお願いします。
エコバッグを肩から提げてる人って、こういう大事故のときに限って無関心だったりするので恐ろしいです。
イギリスのエネルギー関連企業BPのトニー・ヘイワード最高経営責任者(CEO)は、5月14日、英ガーディアン紙に対し、
「メキシコ湾は広大だ。海全体の水の量に比べれば、流出した石油と分散剤の量など微々たるものだ」
と語る。
―BPトップはPR史上最悪の失言男 | ビジネス | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
2010年メキシコ湾原油流出事故 - Wikipedia
2010年メキシコ湾原油流出事故は、2010年4 月20日にアメリカ合衆国ルイジアナ州のメキシコ湾沖合80kmで操業していたBPの石油掘削施設(石油プラットフォーム)「ディープウォーター・ホライズン」が爆発し、海底1,522mへ伸びる深さ 5500mの掘削パイプが折れて海底油田から大量の原油がメキシコ湾全体へと流出した事故。
原油流出量はBP社発表によると1日15000キロリットルと推定される。1989年に 4万キロリットルが流出したアラスカ州のタンカー事故(エクソンバルディーズ号原油流出事故)を現時点(6月中旬)ではるかに超えている。 被害規模は既に数百億USドル以上と言われ、FEMAの内部情報によると、内陸部まで含めた最終的な被害総額は2~3兆ドルにも上るのではないかと言われている。
原油流出をコーヒーに例えたらこうなのか? という映像。
2010 年メキシコ湾原油流出事故 - Wikipedia
ディープウォーター・ホライズン
事故を起こした「ディープウォーター・ホライズン」(Deepwater Horizon)は自動船位保持装置(Dynamic Positioning System、DPS)を備えた半潜水式の石油プラットフォームで、海に浮きながら自動で位置を調節して大水深の海底から石油を掘削することができる。R&Bファルコン社の発注で1998年末から韓国蔚山の現代重工業が建造し、R&Bファルコンがトランスオーシャンによって買収されたことにより、2001年2 月にトランスオーシャン社に引き渡された。以来、イギリスの石油会社BPとの契約の下で、メキシコ湾岸油田の様々な鉱区で石油掘削を行ってきた。
昨年10月に別のリグで掘削を始めたが、ハリケーンで損傷したため、今年1月交替した。申請工期は78日だが、内部で51日と定められた。その後工期は遅れ予算は超過した(1日100万㌦)。事故は80日目だった。
責任組織
- 米政府からBPへの通告による責任組織は次の通り。
- 「(油田開発作業を実施・管理する)オペレーターと(権益だけを持つ)非オペレーター間の契約で事前に責任範囲を決め、最終的に負担割合が決まる。契約により過失があっても負担をする可能性もある」(新日本石油開発社長 古関信氏)
かつてのミシシッピ川の画像。
現在。
2010 年メキシコ湾原油流出事故 - Wikipedia
日本との関係
- 三井物産が約7割出資する(政府が2割、その他の大企業が1割)三井石油開発の100%孫会社「MOEX Offshore 2007 LLC」が10%の採掘権を持っている。 5月10日の発表では「影響は不明、ノンオペレーター採掘権。保険は掛けてある」としている。 米経済誌ウォールストリートジャーナルは、三井物産の匿名発言として一部を負担する意向とした。
- 6月18日時点で、三井石油開発に6件、同社の米国子会社に3件、事故が起きた油田鉱区の権益を持つ孫会社に73件 の訴訟が起こされた。米国三井物産にも5件提起されている(他の会社との共同被告も含まれる)。
- 6月23日の株主総会で、三井物産の飯島彰己社長は「いまお話しする状況にない」と述べた。
- 6月29日、CMAデータビジョンによると、三井物産のCDSは120bpである(三菱地所は60bp、東京海上日 動は80bp)
- 7月2日、BPが三井物産に約1億$の負担を請求
石油・天然ガス生産量国内2位の新日本石油開発は、メキシコ湾でアナダルコ開発の水深1,500m の油田権益を11%持つ。場合によっては資産売却し、ベトナム、マレーシア、英領北海を優先開発する。
原油流出、三井石油開発に負担要請 BP、事故処理費用の一部97億円
米南部ルイジアナ州沖のメキシコ湾での原油流出事故に関して、英石油大手BPが、権益の一部 を持つ三井物産の子会社三井石油開発に対して事故の処理費用の一部として約1億1160万ドル(約97億円)の負担を求めていることが3日分かった。米メディアが伝えた。
海底油田について、BPが65%、三井石油開発が10%を持つ。BPが米議会に対して提出した書類で、BPが三井石油開発に負担を要請したことが明らかになった。
石油流出事故で、回収費用に加えて、周辺海域での漁業や観光なども含めた被害に対してBPは巨額の補償を求められており、負担額は既に20億ドル以上に達している。BPの負担は最終的に数百億ドル規模に膨らむとの指摘もあり、権益を持つ三井石油開発の負担が増加する可能性もある。(共同)
処理費用の一部(!)
三井物産が持つ採掘権10%の内、政府が20%出資
単純計算してしまうと、97億円の2割は19.4億円。
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』という映画があります。
劇中、主人公のベンジャミン・バトンが再会したデイジーと父親のボートに乗って出かけたのが、メキシコ湾のフロリダ・キーズでした。
そうか、あの海はもうないのか…。
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