2010年5月4日火曜日

『エンジェル』

 
 

映画『エンジェル』(『ANGEL』)
(2007)

監督,脚本,フランソワ・オゾン(Francois Ozon 1967.11.25- )

原作,エリザベス・テイラー(Elizabeth Taylor) 
『エンジェル』(白水社)

撮影,ドニ・ルノワール(Denis Lenoir 1949 - )

出演,ロモーラ・ガライ(Romola Garai 1982.08.06- )

シャーロット・ランプリング(Charlotte Rampling 1946.02.05- )

マイケル・ファスベンダー(Michael Fassbender 1977.04.02- )

ルーシー・ラッセル(Lucy Russell 1972 - )

サム・ニール(Sam Neill 1947.09.14- )















 たとえそれがどれほど偏った見方であって、どれほど偏った描き方であろうと、怖れることなく映画を撮り続けているフランソワ・オゾン。



 新しい映画を撮れば必ず観ているという監督が数人います。
ウディ・アレン、ラース・フォン・トリアー、ビクトル・エリセ、クエンティン・タランティーノ、テレンス・マリック、(結構いますね)クリストファー・ノーラン、三木聡、M.ナイト・シャマラン、山下敦弘、デヴィッド・フィンチャー、そしてフランソワ・オゾン。




 フランソワ・オゾンの映画づくりの土台は他の監督のどれとも異なっているように思えます。
そのほとんどの作品の脚本を書いているというのも興味深い。作品ごとに何をやってくるのか全く読めない。







 ここ最近の作品をみてみると、
『エンジェル』(2007)、『ぼくを葬る』(2005)、『ふたりの5つの分かれ路』(2004)、『スイミング・プール』(2003)、『8 人の女たち』(2002)、『まぼろし』(2001)
となっています。




 日本公開待機作品は、

Ricky(2009)



Le refuge(2009)



Potiche(2010)

です。










 貧しい家庭に育ち、作家として成功することを夢見る少女エンジェル・デヴェレル(ロモーラ・ガライ)は一つの小説を書き上げる。
 その小説『レディ・イレニア』は出版され、少女エンジェルは一躍時の人となる。多くの収入と名声を手に入れ、「パラダイス」という名の屋敷を買い取り、そこに住み望んでいた暮らしを手に入れたエンジェル。ある日、ボヘミアン(奔放な性格)な画家エスメ(マイケル・ファスベンダー)と出会い、恋に落ち、結婚し、破滅する。




 要約すればそれだけなんですが、オゾンが描くとそれだけでは済まなくなる。
主要な人物だけでなく、端役の人物までも前のめりの仕方が違ってくる。倒れる寸前まで前のめりになり、そして実際に倒れる。

 救いのあるなしに関わらず―まあ、だいたいオゾン監督が描く“救い”はあってないようなものなんですが、(ものの見事に)倒れ、(とことん)破滅する。