2010年4月15日木曜日

ジュンク堂書店池袋本店





 残念ながら、今はもう変わってしまいましたが、ジュンク堂池袋本店のレジのシステムにはなかなか興味深いものがありました。


 一つのビルのすべての階が本屋という本屋好きにはたまらない場所で有名です。階はB1から9階まであり、その階ごとに漫画、小説、理工書、といった多岐にわたった専門書が取り揃えられています。

 そのビルの1階に、バー・カウンターのように長い会計所があり、その内側に店員がいて、その外側に客が並ぶ。こうして書くと至って普通のことであるが、B1か ら9階まである本のすべての会計を1階で支払うシステムとなっており、会計係として働いている店員は10名以上いる。つまり、十数か所の会計口があり、その 一つ一つに店員が一人ずつ就いている。そして、その会計口の前に客は買いたい本を出し、会計をする。

 それがなぜそのような仕組みになっていたのかよく分からないが、釣り銭を扱うキャッシャーは一つしかなかった。(残念ながら、今は会計口一つ一つにキャッシャーがあります)

 会計口で本のバーコードを読み込み、入力する端末機器はある。会計係はそこで入力 し、客に金額を伝え、預かり金をもらい、マザー・キャッ シャーに行き(すぐ後ろにある。巣の奥底に潜んでいる女王蟻のように)、預かり金を渡し、お釣りとレシートをもらっている。
そして、客のところに戻り、それを手渡し「ありがとうございました」 というわけです。 


 本屋の会計所としては大きな規模である。またジュンク堂池袋本店はとても人気があるのか、その十数か所の会計口のすべてにいつも会計待ちの客が並んでいる。


 見たことがない人には異様にも映るだろう。
会計口にずらりと並んだ店員、そしてマザー・キャッシャーを行き交う店員、同じ服を着た人たちが行ったり来たりしている。

 その光景は、夜中、おじいさんの代わりに革靴を作る小人たちにも似ている。
もしくは、傷口に入ろうとする病原体の種類を特定し、抗体を取りに戻り、対処する白血球の働きにも似ている。