映画『エレジー』 (『ELEGY』)
(2008)
監督,イザベル・コイシェ(Isabel Coixet 1960.04.09- )
脚本,ニコラス・メイヤー(Nicholas Meyer 1945.12.24- )
原作,フィリップ・ロス(Philip Roth 1933.03.19- )
撮影,ジャン=クロード・ラリュー(Jean-Claude Larrieu - )
出演,ペネロペ・クルス(Penelope Cruz 1974.04.28- )
ベン・キングズレー(Ben Kingsley 1943.12.31- )
パトリシア・クラークソン(Patricia Clarkson 1959.12.29- )
デニス・ホッパー(Dennis Hopper 1936.05.17-2010.5.29)
ピーター・サースガード(Peter Sarsgaard 1971.03.07- )
デボラ・ハリー(Deborah Harry 1945.07.01- )
『死ぬまでにしたい10のこと』のイザベル・コイシェ監督作品。
素晴らしい映画でした。
何が素晴らしいのか。監督の見ている世界なのか、脚本なのか、原作なのか。
脚本は、同じくフィリップ・ロス原作『ヒューマン・ステイン』の映画化『白いカラス』の脚本も担当したニコラス・メイヤー。
気になったので原作も読みました。
『ダイング・アニマル』
著者,フィリップ・ロス
訳者,上岡伸雄
出版社,集英社
「わが情念を焼きつくし給え、欲情に病む情念、死を背負う獣性(ダイング・アニマル)に金縛りになった情念は、身のほどをわきまえぬ」―『イェイツ全詩集』 (鈴木弘訳)
ペネロペ・クルスが見せる多彩な表情(表相)や、友人役のデニス・ホッパー(2010年5月29日前立腺癌による合併症のため死去。 合掌)の枯れたカラスのような老成っぷりが素晴らしかったんですが、何よりベン・キングズレーなしではこの映画は成り立たなかったでしょう。
老いてなお、美であり、生であり、性に執着する男の物語。
60を過ぎた老批評家ケペシュは劇中のモノローグで語る。
コンスエラ・カスティーリョを前にするとあらゆること―性に対する執着であり羞恥であり憐憫であり悔悟でありを無自覚に行なっているのではなく、さらに矛盾を正当化することなく、自覚し自己分析した上でとってしまう衝動的な言動だと。
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